性格スキル――人生を決める5つの能力/鶴光太郎
昨年に、買っていたものの読んでなかった新書。これも横山信弘氏のメルマガで紹介されて、5月には購入していたもの。少しずつ読んで数日で読了。ちゃんとした本の読了は今年1冊目かもしれない。遅い。
本書は、性格スキルの重要性の説明(1章)、性格スキルに関する詳細な説明(2章)、性格スキルの鍛え方(3~5章)という構成。主にアメリカの研究を紹介しながら、性格スキルの人生への影響や伸ばし方について教えてくれる。
ちなみに、本書でいう性格スキルとは「開放性(Openness)」「真面目さ(Conscientiousness)」「外向性(Extraversion)」「協調性(Agreeableness)」「精神的安定性(Emotional Stability)」からなる「ビッグファイブ」という分類形態。
メインは、人生の様々な側面に大きくポジティブに働くのが「真面目さ」である(そして、それは大人になっても伸ばせる)という話。
この本だけでも勿論完結するんだけど、アンジェラ・ダックワースの「GRIT」への導入にもいいと思います。GRITのほうがエピソードが多くて楽しく読めると思うけど、コンパクトにまとまってるのは本書。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者: アンジェラ・ダックワース,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (13件) を見る
ちなみに、認知スキルの中でも思考力系のスキルや、好奇心を含む「開放性」だけはできるだけ若いうちに育てておくべきらしい。これは割と実感ある。
- 性格スキル(の一つである「真面目さ」)が高ければ認知スキルが伸びやすい
- 性格スキルは認知スキルよりも賃金に対する影響が大きい(熟練労働者は逆)
- 性格スキルは認知スキル(いわゆる知能、地頭)に比べて後年でも伸びしろがあり、大人になってからでも鍛えることができる
- 仕事の成果を決める因子として最も重要なのは「真面目さ」
- 「精神的安定性」の一側面である「自力本願性」「自尊心」が真面目さと並んで重要
- 管理職や営業職は「外交性」も大事
- 犯罪確率は「真面目さ」「協調性」が影響
家庭においては、子供の好奇心を尊重し、様々な物に触れて「開放性」を養うとともに、大いに課外活動をさせるのが良し(リーダーシップ経験をできれば効果が大きい)。つまり、家庭環境が恵まれていれば性格スキルも伸びやすいという話。
(ちなみに、本題から外れているが、日本における労働市場の評価に大きな影響を与えるしつけは、4つの基本モラル(うそをつかない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)らしい。親御さんはこの4つを身につけさせてあげましょう)
ただし、家庭環境が恵まれてなくても、後年に性格スキルは伸ばせる。主に仕事を通じて。ということで、徒弟制度や日本的雇用システム、職業実習制度等を例に挙げ、さらにはご自身のゼミでの例をつぶさに紹介している。
が、肝心の「自分でどうやって伸ばすか」はほとんど触れられていない。さらに、後年に性格スキルを伸ばして成功した例として安藤忠雄、長嶋茂雄、田中角栄、萩本欽一のエピソードが紹介されているが、この4人のエピソードだけでは「性格スキルを伸ばせる人もいるんだな、すごいんだな」で終わってしまう…。
ということで、自分の性格スキル(の主なポジティブ要因である「真面目さ」)を伸ばしたい人は、アンジェラ・ダックワースさんの「GRIT」を読みましょう、ということになります。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者: アンジェラ・ダックワース,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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精神的安定性の伸ばし方は触れられてませんでしたが、まぁ認知療法的な自尊心養成ワークとかセラピーとかがいいんじゃないかと思います。ただし、ある程度真面目さがないと自尊心養成ワークが3日坊主になるので(自分のこと)、まずは真面目さを伸ばすのがオススメです。私も頑張ろう。
(ここまで大体40分)
減らす技術 新装版/レオ・バボータ -1
2015年の書籍。昔買って読了していたが、先日横山信弘さんのメルマガで紹介されてたので再読。
まずは、前半の「原則編」から。(書籍の総量の3割ぐらい)
人生をシンプルで生産的にする「6つの原則」
1:制限する
2:本質に迫ることだけを選ぶ
3:シンプルにする
4:集中する
5:習慣化する
6:小さく始める
1:制限する
TODOリストを眺めて、もしくはゴールを定めて、より「インパクト」のある仕事を選択する
→平凡な30の仕事より、長期的に影響のある1つの仕事。よりゴールに近づけること。
・まずはルーチンな仕事、身の周りの小さなことから制限してみる。制限するのは1度に1場面、制限に違和感がなくなるまで続ける。
2:本質に迫ることだけを選ぶ
自分の価値観、目指すゴール、好きなもの、大切なこと
最もインパクトが大きいこと、最も長期的にインパクトがあること、
必要な物か欲しい物か、本質に迫ること"ではないこと"、まだ減らせそうなもの
3:シンプルにする
本質に迫ること"ではないこと"にはノーを言う。慣れと、自分のためになるという確信があれば、どんどん言いやすくなる。
4:集中する
ゴールに集中、現在に集中(マインドフルネス、記憶の外部化)、目の前の取り組みに集中、ポジティブな考えに集中、シングルタスクに集中
そのためには?
朝一番にもっとも重要なタスク(Most Important Task:MIT)を片付ける
集中の邪魔になるものをすべて取り除く
気が散ったらゆっくり深呼吸して集中
割り込んできた仕事は、とりあえず棚上げ
タスクを達成したら棚上げした仕事等をチェック、スケジュールを組みなおす
中断するときは、すぐ再開できるようにしておく
リラックスして楽しむ
5:習慣化する
チャレンジする習慣を一つだけ選ぶ
目標と、トリガー(行動をするためのきっかけ。歯を磨いたら○○する、等)を決める
目標と、毎日の成果を公表する
30日間チャレンジして身についたら、それを祝う。
成功の秘訣は「一つだけ」「クリアできそうな目標」「目に見えるゴール」「いつも同じ時間」「毎日報告」「前向きな気持ちを忘れない」
6:小さく始める
簡単なものをほんの少しから始める。小さな変化の積み重ねのほうが、大きな変化より習慣になりやすい。