性格スキル――人生を決める5つの能力/鶴光太郎

昨年に、買っていたものの読んでなかった新書。これも横山信弘氏のメルマガで紹介されて、5月には購入していたもの。少しずつ読んで数日で読了。ちゃんとした本の読了は今年1冊目かもしれない。遅い。

性格スキル 人生を決める5つの能力(祥伝社新書)

性格スキル 人生を決める5つの能力(祥伝社新書)

 

 

本書は、性格スキルの重要性の説明(1章)、性格スキルに関する詳細な説明(2章)、性格スキルの鍛え方(3~5章)という構成。主にアメリカの研究を紹介しながら、性格スキルの人生への影響や伸ばし方について教えてくれる。

ちなみに、本書でいう性格スキルとは「開放性(Openness)」「真面目さ(Conscientiousness)」「外向性(Extraversion)」「協調性(Agreeableness)」「精神的安定性(Emotional Stability)」からなる「ビッグファイブ」という分類形態。

 

メインは、人生の様々な側面に大きくポジティブに働くのが「真面目さ」である(そして、それは大人になっても伸ばせる)という話。
この本だけでも勿論完結するんだけど、アンジェラ・ダックワースの「GRIT」への導入にもいいと思います。GRITのほうがエピソードが多くて楽しく読めると思うけど、コンパクトにまとまってるのは本書。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

ちなみに、認知スキルの中でも思考力系のスキルや、好奇心を含む「開放性」だけはできるだけ若いうちに育てておくべきらしい。これは割と実感ある。

 

 

  • 性格スキル(の一つである「真面目さ」)が高ければ認知スキルが伸びやすい
  • 性格スキルは認知スキルよりも賃金に対する影響が大きい(熟練労働者は逆)
  • 性格スキルは認知スキル(いわゆる知能、地頭)に比べて後年でも伸びしろがあり、大人になってからでも鍛えることができる
  • 仕事の成果を決める因子として最も重要なのは「真面目さ」
  • 「精神的安定性」の一側面である「自力本願性」「自尊心」が真面目さと並んで重要
  • 管理職や営業職は「外交性」も大事
  • 犯罪確率は「真面目さ」「協調性」が影響

家庭においては、子供の好奇心を尊重し、様々な物に触れて「開放性」を養うとともに、大いに課外活動をさせるのが良し(リーダーシップ経験をできれば効果が大きい)。つまり、家庭環境が恵まれていれば性格スキルも伸びやすいという話。

(ちなみに、本題から外れているが、日本における労働市場の評価に大きな影響を与えるしつけは、4つの基本モラル(うそをつかない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)らしい。親御さんはこの4つを身につけさせてあげましょう)

 

ただし、家庭環境が恵まれてなくても、後年に性格スキルは伸ばせる。主に仕事を通じて。ということで、徒弟制度や日本的雇用システム、職業実習制度等を例に挙げ、さらにはご自身のゼミでの例をつぶさに紹介している。

が、肝心の「自分でどうやって伸ばすか」はほとんど触れられていない。さらに、後年に性格スキルを伸ばして成功した例として安藤忠雄長嶋茂雄田中角栄萩本欽一のエピソードが紹介されているが、この4人のエピソードだけでは「性格スキルを伸ばせる人もいるんだな、すごいんだな」で終わってしまう…。

 

ということで、自分の性格スキル(の主なポジティブ要因である「真面目さ」)を伸ばしたい人は、アンジェラ・ダックワースさんの「GRIT」を読みましょう、ということになります。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

精神的安定性の伸ばし方は触れられてませんでしたが、まぁ認知療法的な自尊心養成ワークとかセラピーとかがいいんじゃないかと思います。ただし、ある程度真面目さがないと自尊心養成ワークが3日坊主になるので(自分のこと)、まずは真面目さを伸ばすのがオススメです。私も頑張ろう。

(ここまで大体40分)

減らす技術 新装版/レオ・バボータ -1

 

減らす技術 新装版

減らす技術 新装版

 

 

2015年の書籍。昔買って読了していたが、先日横山信弘さんのメルマガで紹介されてたので再読。

まずは、前半の「原則編」から。(書籍の総量の3割ぐらい)

 

人生をシンプルで生産的にする「6つの原則」

1:制限する
2:本質に迫ることだけを選ぶ
3:シンプルにする
4:集中する
5:習慣化する
6:小さく始める

 

1:制限する

TODOリストを眺めて、もしくはゴールを定めて、より「インパクト」のある仕事を選択する

→平凡な30の仕事より、長期的に影響のある1つの仕事。よりゴールに近づけること。

・まずはルーチンな仕事、身の周りの小さなことから制限してみる。制限するのは1度に1場面、制限に違和感がなくなるまで続ける。

 

2:本質に迫ることだけを選ぶ

自分の価値観、目指すゴール、好きなもの、大切なこと
最もインパクトが大きいこと、最も長期的にインパクトがあること、
必要な物か欲しい物か、本質に迫ること"ではないこと"、まだ減らせそうなもの

 

3:シンプルにする

本質に迫ること"ではないこと"にはノーを言う。慣れと、自分のためになるという確信があれば、どんどん言いやすくなる。

 

4:集中する

ゴールに集中、現在に集中(マインドフルネス、記憶の外部化)、目の前の取り組みに集中、ポジティブな考えに集中、シングルタスクに集中

そのためには?

朝一番にもっとも重要なタスク(Most Important Task:MIT)を片付ける
集中の邪魔になるものをすべて取り除く
気が散ったらゆっくり深呼吸して集中
割り込んできた仕事は、とりあえず棚上げ
タスクを達成したら棚上げした仕事等をチェック、スケジュールを組みなおす
中断するときは、すぐ再開できるようにしておく
リラックスして楽しむ

 

5:習慣化する

チャレンジする習慣を一つだけ選ぶ
目標と、トリガー(行動をするためのきっかけ。歯を磨いたら○○する、等)を決める
目標と、毎日の成果を公表する
30日間チャレンジして身についたら、それを祝う。
成功の秘訣は「一つだけ」「クリアできそうな目標」「目に見えるゴール」「いつも同じ時間」「毎日報告」「前向きな気持ちを忘れない」

 

6:小さく始める

簡単なものをほんの少しから始める。小さな変化の積み重ねのほうが、大きな変化より習慣になりやすい。